前回の記事でデータサイエンティストと言っても色々な業界での働き方がある事を述べました。本記事では業界ごとの特性と求められる能力や適性につついて説明したいと思います。

業界ごとの傾向

例によって前の記事と同様に以下3つに分けてご説明します。なおこの内容は私自身の実際に見聞きしてきた経験を元にしたものであることをお断りしておきます。

1. BtoB他社向けサービス

大小問わず、主にSIや分析専門コンサル、広告会社、が該当します。有名な所ではBrainPad、Albert、電通デジタルなどがあります。

受託がメインとなるため、高い顧客コミュニケーション能力を持つ人が多いイメージです。難関大学出身者が多いですが、そうでない人ももちろんいます。学位は学士、修士で9割くらい占めます。また文系の比率も相対的に高く4割程度はいる印象で、文系出身者は理系的素養が必要とされる経済、論理的な考えができる言語学等の出身が多いです。要するに高い専門性よりバランスのとれた能力を重視する業界と言えます。(但し文系の方は理系の方に基礎的なことで素早くキャッチアップするための努力が必要です。)あたまの回転の速さとコミュニケーション能力が高い人ならば適性があると言えるでしょう。逆にコミュニケーションが苦手であったりモニターの前にずっと座っていたい人には向いていないでしょう。併願業種としては広告代理店、コンサル、SIなどが多いようです。

2. BtoB自社向けサービス

スタートアップ企業が多いのがこのカテゴリーの特徴です。有名な所ではsansanやビズリーチ、freakoutなどがあります。

エンジニアと似た雰囲気だと社内からは思われている事が多いです。R&Dに属するため、1.と同じように高学歴が多いかつ理系出身の割合はほぼ100%に近いです。学位は博士号取得が2割程度修士が6割、学士が2割程度と大学院出身比率が1.のそれを上回ります。このため大学院の研究室のような雰囲気の場所を想像して頂ければ良いかと思います。専門は1.と同様に数学、物理などの理学も多いですが、工学出身者が1.より多いのが特徴です。高い専門性が要求される業界と言えます。また論文を読むため英語のリーディング能力は必須です。大学院での研究が関連している場合は採用に有利に働く場合もあります。性格的には研究が好きであったり、深い専門性、プログラミング能力を持っている人に向いています。逆に顧客との折衝やスーツをきたサラリーマンに憧れる人は向いていません。

3. BtoC自社向けサービス

このカテゴリは「マーケティング」「研究開発」2つ職種領域があります。後者は2.とほとんど同じなので割愛させて頂きます。

誰もがしっている大企業及びwebサービス企業が多い。有名なところではユニクロやJALなど大手大企業、DENA、楽天、Yahoo、などのネット系がここに該当します。

ネット系はログが全て取得できるため、データ分析を戦略の主軸においている会社も多く(例えばAmazon,Netflix)人材のレベルもかなり高いです。冒頭で述べた2つの領域の境がなくなってきているのもネット系の特徴です。従って人材のレベルは2.とほぼ同様のものを要求されます。適性もほぼ同様と考えるのが妥当でしょう。

一方大企業系はやはり古い体質の会社が多く専門部署が設置されていない、もしくは設置されたばかりという状態のところが多いです。そのため、今働いている人の多くが経験のある中途採用の人ばかりです。今後自社の素養のある人はその下につけ事業を作っていくという段階のような気がします。

私自身の経歴はこの1.-3.まで全て経験していますが、あまり魅力がなかったのもこの大企業カテゴリです。私見ですが私はこのカテゴリはおすすめしません。理由は

  • 総合職のキャリアパス設計しかない会社が多い。このため教育投資がジョブローテションで無駄になる可能性がある
  • 入る入社難易度に対してデータサイエンティストになれるかは不確実性が高い
  • 今後このカテゴリは1.の会社に外注を頼むかもしれない。

やはりデータサイエンティストは専門職なので日本型の総合職制度と相性が悪いというのが理由です。

全てに共通した傾向

今まで個別に見てきましたが、すべての業界で共通した傾向として、やはり頭が良いというのが大変重要になります。頭のよさの指標は様々ですが建前はともかく学歴を見られます。特に1.の業界はその傾向が強いです。逆に2.の業界は専門性の方が重要視される傾向が多いです。学歴や専門性はこの記事を見ている就活間近の学生にとってはもはやコントロールできない変数です。ただ人生とはそんな者なのです。配られた手札で勝負しなければならないのです。難関大学を出た訳でもないのにgoogleに入りたいといっても無謀です。しかしデータサイエンティストになりたいのであれば別にgoogleである必要はないでしょう。企業も人材採用は競争です優秀な人材から採用枠が埋まってしまうわけですから、優秀層が採用できない企業もあるのです。恋愛と同じで魅力度が高い方からマッチングが成立していきます。自分の身の丈を考え妥協していいもの、してはいけないものを仕分けして折り合い点を見つけるのです(なんて世の中は不公平なんだ!)。一方で自分から見ると魅力があるように見えない男性が美人と並んでいたりします。その人にだけささる魅力があったということでしょう。自身と向き合い自身の長所や魅力を気づくことも大事でしょう。就活で自己分析をしろと言われた方もいるかと思いますが、自己分析はこれらの行為に他ならないのです。