さて前回まで、データサイエンティストとしての働き方は業界ごとに異なり、またそれぞれで求められる能力や適性も異なるということをお伝えしました。今回は具体的にデータサイエンティストへのアプローチ方法を考えてみましょう。

企業を探す

まずは前回の内容から自分にあった業界を見つけ募集している企業を探そう。おそらく99%の学生がリクナビに登録するであろうから、まずはそこからです。他方修士以降の理系学生ではアカリクという理系院生を対象とした新卒求人サービスがおすすめです。こちらはインターン情報等が充実しており、より理系に特化した内容となっています。エントリーできるだけしましょう。

インターンシップで悪目立ちをしない

スタートアップ系の企業はインターンをよく行っています。参加することがエントリーに必須ではないのですが、インターンで得られる経験は他社の選考でもきっと強みになるはずです。特に企業がインターンを行う理由は優秀な学生の

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囲込という側面があります。すなわち参加してくれた学生には採用するかしないかは別としてエントリーしてほしいという気持ちがあります。

一方で悪目立ちをすると、かなり悪印象です。印象の良かった学生よりも悪かった学生の方が記憶に残ります。従って変な実力ありますアピールはやめましょう。めんどくさい奴だとおもわれて、あっという間にお祈り候補になります。学生の時は気づきにくいものなのですが、プロから見れば学生の能力なぞ鼻くそみたいなものです。少々他の学生よりものを良く知っているからと、から回ったアピールは絶対やめましょう。明るく、素直にまわりと協調をする姿勢を見せることが大事です。

エントリー

エントリーに関してデータサイエンティストとはっきりと明確にポジションを示して募集している企業は新卒ではまだ多くありません。技術枠(エンジニア、データサイエンティスト)としてビジネス枠(営業、企画)のように大まかに分かれているところが多いようです。

面接について。どの企業でも1次面接は、変なやつを落とすという意味合程度です。特別この職種としての対策は必要ないでしょう。但し2次以降は各種企業によって採用の基準が異なりこれといった一般論はありません。しかしやはり今の専門やスキルより将来性(伸びしろがあるか)、数理適性、コミュニケーション能力があるか等が見られる傾向があります。いずれにせよ面接ばかりは正解がないので沢山エントリーするしか対策はないです。東大で博士号を取得した候補者が中小の分析会社に落ちた事例もあります。

別の職を経由して中途での入社を狙う

前回申し上げたように、データサイエンティストの求人は高学歴な理系が望まれる傾向があると申し上げました。その条件に当てはまらず、内定がとれる自信がない人のために一旦別の職業についてデータサイエンティストに転職もしくは異動を狙うという方法をご紹介します。新卒の人に転職を意識して就活をするのは難しいかもしれませんが、人生のピボットのために抑えておきましょう。

どの職でも良い訳ではなく、データサイエンティストになりやすさのような親和性が職種により異なります(ダーマ神殿では賢者以外は制約がとくになかったのですが)では職種ごとに見ていきましょう

  1. 営業(リテール除く)→BtoB系の他社サービス
    意外と思われるかもしれませんが営業はデータサイエンティストへのキャリアパスの一つです。元々
    コミュニュケーション能力が本来高いため、顧客折衝等を必要とするBtoB系に向いている。もちろん実務の知識等のキャッチアップは不可欠であるが、このような会社は分析をパッケージ化してあり、理屈がよくわからなくても使えるようになっていることが多い。機械学習も初歩的なことがわかればよいので努力しだいですが対応可能です。
  2. システムエンジニア
    プログラミング能力やインフラ周りの強さがあるため、BtoB自社及びBtoC自社プロダクト等の職種に転向可能。機械学習及び統計は勉強する必要があるが、もともと理系が多い職種であるため、比較的容易に習得可能。またプロマネ経験者は特に必要とされます。但しエンジニアとデータサイエンティストのようなアナリストは似ているからこそ、異なっている部分を意識しないとうまくいかないこともあります。プログラミングの手法もアナリストは動けば良いという発想が多いためエンジニア出身の方のようにきっちりメモリ効率等のコードデザインに拘る方はそこのギャップに驚くことが多いようです。
  3. コンサルタント シンクタンク研究員→BtoB向け他社サービス
    営業並みのコミュニュケーション能力やこの職の最大の強みである、ロジカルシンキングはデータ分析の場でも活かされます。
  4. クオンツ アクチュアリー
    データサイエンティストと最も親和性が高い職種。このタイプはドラクエでいうと、僧侶と魔法使いの転職に似ています。極めれば随一の素材となる。但しそもそもデータサイエンティストになるようり本職になるほうが難しいというジレンマがあります。どの業界でも強みとなります。

但し3.4.に限ってはデータサイエンティストより高給であったりするので、この業界からの転向はあまり多くはありません。

何が何でもいきなりなりたい場合

狭いスタートアップの枠を争う自信はないし、また大企業に入ったは良いが希望した配属されるか不安、だけど別職を経由したくない。そんなわがままな学生に規模は小さいが、分析そのものを事業としている会社をお勧めします。

まず分析そのものが商売ですので、ほぼバックオフィス採用でなければ、分析の仕事につけます。またBtoB向けサービスが多いため専門性だけでなくソフトスキルも評価の対象になるので、文系の方や専門性がいまはまだないという方にも広く門戸を開いています。さらに小規模かつ非上場の企業が多いため穴場を見つければライバルも少ないです。

このカテゴリの代表的な企業はBrainPad、Albert、NTTデータ数理システム、データフォーシーズ、FEG等の企業があります。その他色々探せばあるのですが例えば、データサイエンティスト協会加盟法人及び、数理統計学会等の各種学会賛助会員などをしらべるなどして探すと良いでしょう。またIBM SPSSやSASのHPなどでパートナー企業と挙げられている企業を分析してみるというのも手です。

またこのカテゴリーにはCROという製薬の分析に特化した業界がありますが、分析自体は決められた手順で行うため独創性は発揮できないですが、統計解析の基礎が身に付きます。近い仕事であるためこの職で修行しデータサイエンティストを目指す手もあります。さらにこの業界はMeditechといわれるようなスタートアップ領域への可能性を秘めています。

以上2回にわたって、新卒向け傾向と対策をご紹介してきました。

次は中途向けデータサイエンティストへの転職編と、見習いデータサイエンティスト向け価値を生み出す心得等を紹介していこうかと思います。